行動情報の無断収集事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 02:37 UTC 版)
「はてなのサービス一覧」の記事における「行動情報の無断収集事件」の解説
2012年3月、「はてなブックマークボタン」が設置したウェブサイトのオーナーや閲覧者の大半が気づかないうちに、行動情報のトラッキング(追跡)を始めて、無断で収集した情報を広告会社のマイクロアドに販売していた事が発覚した。ソーシャルボタンは「はてなブックマークボタン」のほかに、Facebookのいいね!ボタンやGoogle+1ボタンなどがある。しかしこれらは、クリックした時にアクセスログを記録するだけである。一方、「はてなブックマークボタン」はクリックしなくても表示しただけで「過去に検索したキーワードや広告のクリック履歴、過去の広告表示履歴、IPアドレス、サイトへのアクセスした時間、携帯端末の固体識別情報など」を収集し、ネット上で横断的に蓄積していく。これは「はてなブックマーク」のユーザーではない閲覧者や、自由民主党のウェブサイトのように広告が付いておらず、ウェブサイトのオーナーが経済的な恩恵を受けない場合でも同様である。トラッキングは収集する情報や範囲が大きいので、ウェブサイトのオーナーや閲覧者の許可を得て、公明正大に行わなければならない。インターネット広告推進協議会や総務省の研究会のルールによれば、ウェブサイトのオーナーの同意を得て、プライバシーポリシーを変更して閲覧者に告知し、同意しない閲覧者にはトラッキングを停止するオプトアウトの手段を与える等の措置が必要である。ところが「はてな」は、一部の大手メディアのオーナーと相談して収集対象から外しただけでトラッキングを始めてしまった。無断でトラッキングを行うことは機能的にはマルウェアやスパイウェアと同じであり、はてなの「企業・技術者の倫理観」に対する懸念が広がった。こうした批判に対して、当時はてなの代表取締役社長であった近藤淳也は非を認めて、半年間密かに続けた行動情報の収集を停止した。マイクロアドもオプトアウトの告知を進めている。ただしマイクロアドの広告は、オプトアウトの手続き後も「クッキーの削除やPCの変更等により、この設定が無効化されると再度蓄積が開始される場合」がある点には注意が必要である。
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