行列 Ω
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/23 10:23 UTC 版)
斜交行列は、ある固定された特異反対称行列 Ω に関して定義される。前節で記したように、Ω は非退化反対称二次形式の座標表現として考えることもできる。この様な任意の 2 つの行列は基底の変換により互いに異なるのは、線型代数の基本的結果である。 上記の Ω 標準形と異なる最も一般的な代替は、以下の区分対角形式である。 Ω = [ 0 1 − 1 0 0 ⋱ 0 0 1 − 1 0 ] {\displaystyle \Omega ={\begin{bmatrix}{\begin{matrix}0&1\\-1&0\end{matrix}}&&0\\&\ddots &\\0&&{\begin{matrix}0&1\\-1&0\end{matrix}}\end{bmatrix}}} この選択肢は、前記の標準形と基底ベクトルの置換の部分だけ異なる。 反対称行列の記号として、Ω の替わりに J を用いることがある。これは、複素構造の記号に混乱をもたらすことから、特に不幸な選択である、というのも、複素構造は Ω と同一の座標表現を持つが、極めて異なる構造を表現するからである。複素構造 J は、二乗すると −1 になる線形変換の座標表現であるが、Ω は、非退化反対称二次形式の座標表現である。J が反対称でなく、または Ω が二乗して −1 にならない基底を簡単に選ぶことができる。 ベクトル空間のエルミート構造(英:hermitian structure)が与えられたとき、J と Ω は、下式を通じて関係する。 Ωab = −gacJcb ここに、gac は計量である。J と Ω が通常、同一の座標表現を有する(全体の符号を除く)のは、計量 g が通常、単位行列であるという事実に基づく帰結に過ぎない。
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