虚偽記憶説・出生外傷説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 05:02 UTC 版)
「未確認飛行物体」の記事における「虚偽記憶説・出生外傷説」の解説
これらのアブダクション現象については虚偽記憶(False Memory)で説明できるという考え方がある。アブダクション体験談の多くは「催眠状態の誘導により思い出されたもので、そこに虚偽記憶が介在する余地があるため、信頼性の高い情報とはいえない」という側面があるという理論である。 なお、研究者であるデイヴィッド・マイケル・ジェイコブズはこの虚偽記憶説を批判している。「アブダクション体験者は互いに面識がなく、UFOについての知識がないにも関わらず一般に知られていない詳細なアブダクション現象の共通点を同じように報告してくるため、それらが作り話や虚偽記憶であるという可能性は極めて低い」と述べている。 もし催眠下にある人間がアブダクション体験を捏造しようとした場合、その報告はバラバラで全く共通点がなくなるという実験結果も出ている(アルヴィン・ロースンの実験)。またUFOとの遭遇を直接思い出した者と、催眠により思い出した者とが語る証言には、実質的な違いは何もないと結論した研究もある。アブダクション体験者の中には、催眠を用いずに体験を思い出した例もあり、そうした体験者がウソ発見器をパスしたケースもある(1973年のパスカグーラ事件など)。 アブダクション現象は幼児期の性的虐待の記憶が多くの人間に虚偽記憶として蘇っているのではないかとする「出生外傷説」がある。スタニスラフ・グロフがLSDを用いた研究では、出生外傷に基づくと思われる意識状態にて、第4種接近遭遇とよく似た現象を報告した者がいる。しかし、この説では「アブダクション体験者が催眠により虐待そのものの記憶を取り戻さないこと」や「多くのアブダクション体験者が子供の頃の虐待体験を否定していること」などの事実の説明がつかない。
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