虚偽論文の採否
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 03:05 UTC 版)
「査読なんか怖くない?」の記事における「虚偽論文の採否」の解説
この調査の結果、合計で157誌が論文を受理した一方で、98誌がリジェクトした。また、残りの49誌はボハノンが『査読なんて怖くない?』を執筆した時点で評価を完了していなかった。ボハノンによれば、採否が決まるまでのプロセスを経た255誌のうち、少なくとも約60%において査読された形跡がない。査読された形跡がないジャーナルについて、リジェクトされたものについては編集者のフィルタリングによって採用されていない可能性が考えられるが、受理されるのはプロセスの欠陥を反映していると考えるほかないとボハノンは主張している。残りの106誌については何らかの査読が行われたと判断できるが、そのうちの70%において最終的には論文が受理された。投稿された虚偽論文の科学的な問題を認識している査読コメントが付与されたのは、全投稿のうち36件だけだった。さらにこの36件の投稿のうち16件は、査読者が批判的なコメントをしたにもかかわらず、編集者の判断で受理された。 論文を受理したジャーナルの中には権威のある機関や出版社によるものもあり、その中にはエルゼビアやSage、Wolters Kluwer(子会社のMedknow経由)などであったり、他には神戸大学などの著名な大学機関のジャーナルも含まれていた。他方、論文をリジェクトしたジャーナルとして、PLOSやHindawiが発行しているものもあった。ボハノンはPLOS ONEによる査読は今回調査した中で最も厳しいものであったとしており、がん細胞株を作るにあたり動物をどのように扱ったかについての文書が添付されていないなどの、虚偽論文に含まれる研究倫理の課題を特定した唯一のジャーナルだった。
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