薮漕ぎとは? わかりやすく解説

やぶ‐こぎ【××漕ぎ】

読み方:やぶこぎ

[名](スル)登山などで、笹や低木密生するをかき分けて進むこと。「—して谷に下りる


藪漕ぎ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/08 13:30 UTC 版)

藪漕ぎ(薮漕ぎ、やぶこぎ)とは、のない[1]の中を木のササなどをかき分けて進むこと[2][3][4]

技術

ササや雑草低灌木などが繁茂する場所を、手や体全体を使いながらかき分けるように前進することで、その姿が海を漕ぐ姿に似ていることに由来する[5]登山では沢登りの終点から稜線に上がるときやルートを逸脱したときに藪漕ぎが必要になる場合がある[5]

登山のグレーディングでは藪漕ぎを必要とする山は難易度が高く、深い藪漕ぎが必要な山はさらに難易度が高くなる[6][7]。やぶこぎ登山は方向維持の努力をしていても、現在地の曖昧さが二次元的に広がるため現在地把握が難しくなることがある[8]。道のない藪漕ぎや雪山では積極的なルート維持が必要とされる[8]。また、地図上からは読み取れない情報を利用して正しいルートを進むルートファインディングにおいても、藪の濃い場所でもどこが通りやすいか選択することが重要となる[8]

山菜採り[9]渓流釣り[10]などで藪漕ぎが行われることもある。

注意点

トゲのあるイバラなどの植物の藪を進む藪漕ぎでは肌を傷めることがある[11]。また、ウルシなどで肌がかぶれるおそれもある[10]

マムシなどが生息していたりハチの巣が存在することもある[10]。藪や草地は重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を媒介することがあるマダニの生息場所でもあり、マダニの付着を防ぐには藪漕ぎはできるだけ避けるべきとされる[9]。藪漕ぎを行った場合には、衣類はすぐに洗濯して体を洗うことが予防方法として挙げられている[9]。対策の詳細はマダニを参照。

脚注

  1. ^ 』 - コトバンク
  2. ^ 広辞苑(第5版)、岩波書店、1998年。
  3. ^ 藪漕』 - コトバンク
  4. ^ 藪漕ぎ』 - コトバンク
  5. ^ a b 『ランドネ2017年7月号』109頁、マイナビ出版
  6. ^ 信州 山のグレーディング(作成:長野県山岳総合センター、監修:長野県山岳遭難防止対策協会)
  7. ^ 栃木県 山のグレーディング~無雪期・天気良好時の「登山ルート別難易度評価」~(作成:栃木県山岳遭難防止対策協議会、協力:栃木県「山の日」協議会)
  8. ^ a b c 第3編 登山の技術と知識を身に付けよう、第4章 読図とナヴィゲーション(日本スポーツサポートセンター)
  9. ^ a b c マダニ(豊島区池袋保健所生活衛生課)
  10. ^ a b c 中田 北斗「まだ見ぬ渓流のポイントへ!藪漕ぎに必要な装備は?注意点も解説」(つりチケMAGAZINE)
  11. ^ ルアーマガジン編集部『ルアーマガジン2021年5月号』142頁

関連文献

  • 鄭仁和(訳・編)『アメリカ陸軍サバイバルマニュアル』朝日ソノラマ ISBN 4257050284
  • ジョン・ワイズマン『SASサバイバルハンドブック』並木書房 ISBN 4890630260
  • 工藤章典『サバイバル読本』主婦と生活社 ISBN 439110508X
  • 平山隆一『フィールドナイフの使い方』並木書房 ISBN 4890630694
  • 柘植久慶『サバイバル・バイブル』原書房 ISBN 4562026146

関連項目




品詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「薮漕ぎ」の関連用語

1
薮漕ぎし 活用形辞書
100% |||||

2
薮漕ぎしろ 活用形辞書
100% |||||

3
薮漕ぎせよ 活用形辞書
100% |||||

4
薮漕ぎさす 活用形辞書
100% |||||

5
薮漕ぎさせる 活用形辞書
100% |||||

6
薮漕ぎしうる 活用形辞書
100% |||||

7
薮漕ぎしそう 活用形辞書
100% |||||

8
薮漕ぎしそうだ 活用形辞書
100% |||||

9
薮漕ぎした 活用形辞書
100% |||||

10
薮漕ぎしたい 活用形辞書
100% |||||

薮漕ぎのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



薮漕ぎのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの藪漕ぎ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS