藪田嘉一郎とは? わかりやすく解説

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藪田嘉一郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/21 07:37 UTC 版)

藪田 嘉一郎(やぶた かいちろう、1905年3月28日 - 1976年1月13日)は、日本の編集者歴史家出雲国風土記偽書説など大胆な新説を唱え、松本清張が師事した在野の古代史家として知られる。

経歴

京都市生まれ。1924年京都市立第一商業学校専修科卒業。1925年京都帝国大学文学部史学科選科入学[1]1928年中退。

1928年至誠堂に入社し、1932年飛鳥園1933年日出芸林社と転籍し、書籍の編集者として活躍する。1934年株式会社便利堂に入社し、1950年同社取締役に就任。1951年に退社。同年、自ら綜芸舎(綜芸種智院に因む)を創立する。この間、文献、美術、石造文化財などの史資料を使った古代史研究や能楽研究、易学研究の著作・論文を公刊した。また、寿岳文章らと和紙の研究を行い、新村出らと『和紙研究』を刊行した[2]1965年出版事業を後継者に委ね、以後は研究・著述に専念する。また、大槻憲二が創設した東京精神分析学研究所の所員でもあった[3]

著書

  • 『日本上代金石叢考』河原書店, 1949
  • 『日本年号索引 改訂増補版』綜芸舎, 1963 3版
  • 『宝篋印塔の起原・続五輪塔の起原』編著. 綜芸舎, 1966
  • 『能楽風土記 能楽の歴史地理的研究』桧書店, 1972
  • 『日本古代文化と宗教』平凡社, 1976
  • 『石刻 金石文入門』綜芸舎, 1976.11
  • 『経塚の起源』綜芸舎, 1976.5
編纂
  • 『五輪塔の起原 五輪塔の早期形式に関する研究論文集』(古史叢刊 編. 綜芸舎, 1958

翻訳

  • 馬衡『石刻 中国石文概説』編訳. 綜芸舎, 1957
  • 馬子雲『拓本の作り方 伝拓技法』綜芸舎, 1963
  • 『周易古筮考』編訳注. 紀元書房, 1968
  • 『中国古尺集説』編訳注. 綜芸舎, 1969

参考文献

  • 署名なし「薮田嘉一郎氏追悼」『観世』第43巻第3号、桧書店、1976年、 44頁。
  • 史迹美術同攷会「故薮田嘉一郎氏略歴・主要著書」『史迹と美術』第46巻第2号、史迹美術同攷会、1976年、 50頁。
  • 〔大槻憲二〕「編集者序」『季刊精神分析』第34巻第3号、東京精神分析研究所、1976年、 5頁。
  • 寿岳章子 『京に暮らすよろこび』1992年。 寿岳章子; 沢田重隆 『京に暮らす悦び』〈角川文庫〉角川学芸出版、2010年、154頁。ISBN 9784044001087 
  • 樺山聡「ウは「京都」のウ ファイル19 松本清張の「先生」 ①往復書簡 在野の研究者、藪田嘉一郎 大胆仮説支えた「怪物」。」『京都新聞』、2019年11月26日、24面。
  • 樺山聡「ウは「京都」のウ ファイル19 松本清張の「先生」 ②論叢 出雲風土記は「偽書」の波紋 権威恐れず「説」こそ学問。」『京都新聞』、2019年11月27日、24面。
  • 樺山聡「ウは「京都」のウ ファイル19 松本清張の「先生」 ③粋人 日記に刻まれた占いの跡 祇園生まれの博覧強記。」『京都新聞』、2019年12月3日、22面。
  • 樺山聡「ウは「京都」のウ ファイル19 松本清張の「先生」 ④同志 アカデミズムに挑む姿、共振 念願論文集、亡き後届く。」『京都新聞』、2019年12月4日、22面。

関連人物

  • 松本清張の『火の路』執筆時に協力[4]
  • みうらじゅんの母方祖父・饗庭蘆穂は拓本仲間で、饗庭は綜芸舎より『拓本による京の句碑』を刊行している[5]
  • 綜芸舎は長男の夏雄が継いだ[6]

脚注

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