薬力学的相互作用
【概要】 二つの薬を併用すると、一方がもう一方の働きを強めたり、弱めたりすることがあり、これを相互作用という。相互作用は薬の作用不足や作用過剰(副作用)につながる可能性がある。このメカニズムは二つあり、薬の濃度を変えてしまうメカニズムを薬物動態的相互作用という。一方、薬の血中濃度には関係がなく、個々の薬物の薬理作用によって、薬どうしで相乗的または相加的な薬理作用の増強が起こる。また、受容体レベルで拮抗して作用が減ることもある。これが薬力学的相互作用である。

薬力学的相互作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 18:06 UTC 版)
アメリカの処方記録によれば、2000年代に、オキシコドンや、アセトアミノフェンとヒドロコドンの合剤であるVicodinのようなオピオイドと、アルプラゾラムやロラゼパム、またクロナゼパムのようなベンゾジアゼピン系の薬剤の処方はそれぞれ増加した。2010年には、検視官から提出された死亡診断書など死因ファイルの調査によって、22,134例の医薬品による死亡のうち16,651例(75%)がオピオイドが関与したものであり、そのほぼ30%はベンゾジアゼピンが組み合わさったものであった。このような相互作用による中毒死は、1999年には13%であり、2011年には31%であった。 フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体、ベンゾジアゼピン系薬剤のような中枢神経抑制薬のほか、アルコール、ワルファリンのような抗凝固薬など、抑制作用を増強させる薬剤の併用によって抑制作用が増強される可能性がある。
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