荷電カレント相互作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 09:45 UTC 版)
「弱い相互作用」の記事における「荷電カレント相互作用」の解説
ある種の荷電カレント相互作用では、荷電レプトン(電子またはミューオンなど、電荷−1を持つ)はW+ボソン(電荷+1を持つ粒子)を吸収しそれにより対応するニュートリノ(電荷0)に変換される。ニュートリノの種類(フレーバー)である電子、ミュー、タウは相互作用におけるレプトンの種類と同じである。例えば μ − + W + → ν μ {\displaystyle \mu ^{-}+W^{+}\to \nu _{\mu }} 同様にダウンタイプのクォーク(電荷−1⁄3のd)はW-ボソンを放出もしくはW+ボソンを吸収することによりアップタイプのクォーク(電荷+2⁄3のu)に変換されうる。より正確にはダウンタイプのクォークはアップタイプクォークの量子重ね合わせになる、つまり、CKM行列の表で確率が与えられているため、3つのアップタイプのクォークのいずれかになる可能性があるということである。逆にアップタイプのクォークはW+ボソンを放出もしくはW-ボソンを吸収して、それによりダウンタイプのクォークに変換されうる。例えば d → u + W − d + W + → u c → s + W + c + W − → s {\displaystyle {\begin{aligned}d&\to u+W^{-}\\d+W^{+}&\to u\\c&\to s+W^{+}\\c+W^{-}&\to s\end{aligned}}} Wボソンは不安定なため、非常に短い寿命で急速に崩壊する。例えば W − → e − + ν ¯ e W + → e + + ν e {\displaystyle {\begin{aligned}W^{-}&\to e^{-}+{\bar {\nu }}_{e}~\\W^{+}&\to e^{+}+\nu _{e}~\end{aligned}}} 様々な確率で、他の生成物へWボソンの崩壊が起こることがある。 いわゆる中性子のベータ崩壊では(上記の画像参照)、中性子内のダウンクォークが仮想W-ボソンを放出し、これによりアップクォークに変換され、中性子が陽子に変換される。この過程に関わるエネルギー(つまり、ダウンクォークとアップクォークの質量差)のため、W-ボソンは電子と電子反ニュートリノにしか変換されない。クォークレベルでは、この過程は次のように表すことができる。 d → u + e − + ν ¯ e {\displaystyle d\to u+e^{-}+{\bar {\nu }}_{e}~}
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荷電カレント相互作用
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「サドベリー・ニュートリノ天文台」の記事における「荷電カレント相互作用」の解説
荷電カレント相互作用では、ニュートリノは重陽子中の中性子を陽子に変換する。ニュートリノは反応により吸収され電子が発生する。太陽ニュートリノのエネルギーはミュオンやタウレプトンの質量より小さく、そのため電子ニュートリノのみがこの反応に寄与する。放出される電子はニュートリノのエネルギー5-15 MeV程度のほとんどを持ち出し、検出することができる。生成される陽子は簡単に検出されるほど十分なエネルギーを持っていない。この反応により生成される電子は全ての方向に放出されるが、わずかにニュートリノがやってきた方向を示す傾向がある。
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