トラッキングカロリメータ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 09:04 UTC 版)
「ニュートリノ検出器」の記事における「トラッキングカロリメータ」の解説
MINOS検出器のようなトラッキングカロリメータでは吸収物質と検出物質の板を交互に重ねて用いる。吸収板は検出器を増量し、一方で検出器板は飛跡情報を提供する。鉄は比較的高密度かつ安価であり、磁性をつけることができるという利点があるため、吸収体の選択肢として人気がある。NOνA計画は、非常に大きな体積のアクティブ検出器体積を用いることを選択し、吸収板を排除することを提案した。アクティブ検出器は液体またはプラスチックシンチレータで、光電子増倍管で読み出すことが多いが、様々な種類の電離箱も用いられている。 トラッキングカロリメータは高エネルギー(GeV領域)のニュートリノに対してのみ有用である。このエネルギーでは、中性カレント相互作用はハドロン片のシャワーとして現れ、荷電カレント相互作用は荷電レプトンの飛跡(おそらく何らかの形でハドロン片と一緒に現れる)の有無によって識別される。ミュオンは荷電カレント相互作用によって長い貫通飛跡を生成し、簡単に見つけることができる。このミュオンの飛跡の長さと磁場中での曲率によって、エネルギーと電荷(μ− かμ+ )の情報を得ることができる。検出器中の電子は電磁シャワー作り出す。これはアクティブ検出器の粒度がシャワーの物理範囲に比べて小さければ、ハドロンシャワーとは区別することができる。タウレプトン基本的に直ちにパイオンまたは別の荷電レプトンのいずれかに崩壊し、このような検出器では直接観測できない。(タウ粒子を直接観察するために、一般的には写真乳剤で飛跡のねじれを見る。)
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