航空エンジンのツインマグネトー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 19:49 UTC 版)
「マグネトー」の記事における「航空エンジンのツインマグネトー」の解説
詳細は「en:Dual ignition」を参照 マグネトーはバッテリーなどの他のエネルギー源を必要としないので、コンパクトで自己充足性と信頼性の高い点火システムを構築できる。そのため、現在でも航空用レシプロエンジンではマグネトーによる点火システムが広く用いられている。 マグネトー式点火装置を備える航空エンジンは、通常2系統のマグネトーと1シリンダー当たり2つの点火プラグを持ち、エンジン性能を向上しながら故障に備えた冗長性を確保している。2つの点火プラグは燃焼室内に2か所の異なった位置に火炎を発生させることができるため、シリンダー内の混合気が完全燃焼するまでの時間をより短縮することが可能となる。これにより、大排気量のシリンダーの場合でも火炎伝播の遅れによるノッキングを抑えられる。 2系統の点火装置を持つことはエンジンの燃焼効率を改善するだけでなく、オクタン価が低いガソリンでも利用できる。また、太平洋戦争(大東亜戦争)中の戦闘機用エンジンの場合、シリンダー1気筒当たりの排気量が大きかったため、重要なことであった。 大戦終結後、1970年代の排ガス規制対策として、いくつかのメーカーから航空エンジンの概念と同じツインプラグ式のエンジンが発売されたこともあったが、点火装置そのものの性能が大幅に向上した現在ではこうしたエンジンは少数派となっている。
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