致命的となった設計上の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 10:10 UTC 版)
「改良型SEAL輸送システム」の記事における「致命的となった設計上の問題」の解説
動力 要求された航続距離の長さは、現在の電池技術を越えたものであった。 衝撃 船体と搭載機器が耐えることを要求された衝撃の大きさは、重力加速度に換算して現在の原子力潜水艦に対して要求されている値の4倍である。現存するいかなる潜水艦搭載機器もこの衝撃に耐えることはできない。ディスプレイ、コンピューター、取り付け金具、生命維持装置の改良には多額の費用を要した。 母艦側の制限 重量、サイズ、重心位置は、ロサンゼルス級原子力潜水艦の背部に搭載可能なように制限された。 生命維持装置 小型の艇体には多すぎる搭乗者、制御システムの自動化という要求、および数日にも及ぶ長時間の潜水行動は、軍民双方の既存のシステムでは対応できないほど困難な技術的飛躍を要求した。大型の潜水艦で採用されている既存システムは、より多くの設置スペースとより大きな動力を必要とした。小型潜水艦で採用されている既存システムは能力不足であり、戦闘時に要求される操作性にも欠けていた。大型の潜水艦では通常は必要とされない冷暖房システムは、温かい浅海域や冷たい海水面で行動する小型潜水艇では不可欠であった。 航法装置 ソナーシステムは浅海域での行動のために必要であったが、もともと攻撃型潜水艦のために開発されたこれらは巨大で、動力を浪費し、大きな発熱を伴った。 建造工程 当初の設計と見積もりは通常の潜水艦の建造をベースにしていた。しかし、政府は設計の後期段階にいたって、核爆発に対して艇体と配管が十分な強度を備えること設計者に要求した。これは、設計の初期段階で政府が要求した「既製品を極力活用する」設計手法を台無しにするものであった。より大規模な配管とより厚い艇殻を実現するために、他の部分を軽量化しなければならなかった 。
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