自然哲学的な始原の神々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 04:41 UTC 版)
「ギリシア神話」の記事における「自然哲学的な始原の神々」の解説
ヘーシオドスがうたう第二の自然哲学的な世界創造と諸々の神の誕生は、自然現象や人間における定めや矛盾・困難を擬人的に表現したものとも言える。このような形の神々の誕生の系譜は、例えば日本神話(『古事記』)にも見られ、世界の文化で広く認められる始原伝承である。『神統記』に従うと、次のような始原の神々が誕生したことになる。 まず既に述べた通り、カオス(空隙)と、そのうちに存在する胸広きガイア(大地)、そして暗冥のタルタロスと最も美しい神エロースである。ガイアより更に、幽冥のエレボス(暗黒)と暗きニュクス(夜)が生じた。ガイアはまた海の神ポントスを生み、ポントスから海の老人ネーレウスが生まれた。またポントスの息子タウマースより、イーリス(虹)、ハルピュイアイ、そしてゴルゴーン三姉妹等が生まれた。 一方、ニュクスよりはアイテール(高天の気)とヘーメラー(昼)が生じた。またニュクスはタナトス(死)、ヒュプノス(睡眠)、オネイロス(夢)、そして西方の黄金の林檎で著名なヘスペリデス(ヘスペリス=夕刻・黄昏の複数形)を生み出した。更に、モイライ(運命)、ネメシス(応報)、エリス(闘争・不和)なども生みだし、この最後のエリスからは、アーテー(破滅)を含む様々な忌まわしい神々が生まれたとされる。
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