胴体外配置方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 00:23 UTC 版)
主翼下パイロン懸架方式以外に多いのは、胴体の外側に取付けるものである。最初の例はハインケルHe162であり、生産を簡易にする目的でエンジン1発を胴体の上部に背負うような形で配置している。 比較的小型の旅客機、コミューター機や小型ビジネスジェット機では、2発のエンジンを胴体後部の左右に取付けた例が多い。プロペラのないジェットエンジンのコンパクトさに着目した手法で、1955年のフランス製双発旅客機シュド・カラベルが最初の例である。大型機では代表的なマクドネル・ダグラス社(現:ボーイング社)のDC-9をはじめ、イギリスのVC-10やロシア製の機体で見られる。 この方式には以下のような特徴がある: 利点 主翼がクリアになることにより主翼の空力特性が向上する 短い降着装置で済むので降着装置の重量が軽減出来る →小型機には都合がいい形態である 欠点 胴体後部に配置した場合は、重量が機体後部に集中することから、重心が後方になってしまう。そのため、水平尾翼と垂直尾翼の効きが低下してしまう。水平尾翼と垂直尾翼を大型化するか、重心より後ろの胴体を延長することで解決できるが、重量増加やさらなる重心の後退を招く。 エンジンが胴体と直接的に接するためにエンジン振動及び騒音が後方キャビン内に伝わり易い(前方は静音となる) 稀ではあるが、冬季の除雪作業の不備により、主翼上に張り付いた氷や雪が胴体後部のエンジンに吸い込まれ、事故につながる場合があった。
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