耐摩耗性能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 05:24 UTC 版)
「ジアルキルジチオリン酸亜鉛」の記事における「耐摩耗性能」の解説
ジアルキルジチオリン酸亜鉛の重要な性能の1つに、金属部品の摩耗を低減する耐摩耗性が挙げられる。自動車エンジンのピストン部や歯車、油圧部品など、速度的・圧力的に厳しい摩擦が発生する機械部品において、部品がすり減らないように保護するのである。部品がすり減ると機械の故障に直結する為、対策が不可欠である。 ジアルキルジチオリン酸亜鉛は主に鉄同士の接触において、摩擦によって分解されトライボフィルムと呼ばれる保護被膜を形成し、この被膜が犠牲的に接触することで部品の摩耗を低減する。 ジアルキルジチオリン酸亜鉛から形成されるトライボフィルムの構造については研究が進められているものの、未だ明らかとなっていない部分が多い。 現在のところ、以下の様な構造を有していることがわかっている。 島状(パッド状)の構造を有する。 厚さは100〜200nm程度である。 主にガラス状ポリリン酸亜鉛から構成されている。 母材との境界部分には硫化鉄など硫黄分を多く含む組成を有する。 最表面にはジアルキルジチオリン酸亜鉛の分解生成物が堆積している。
※この「耐摩耗性能」の解説は、「ジアルキルジチオリン酸亜鉛」の解説の一部です。
「耐摩耗性能」を含む「ジアルキルジチオリン酸亜鉛」の記事については、「ジアルキルジチオリン酸亜鉛」の概要を参照ください。
- 耐摩耗性能のページへのリンク