耐摩耗性と表面処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 02:29 UTC 版)
金型は可能な限り材質の強化が行われて使用されるが、製造数が増える中、摩耗、変形、破壊するため耐久性の問題に関心が集まる。そのため成形によって金型の表面損傷が考えられる場合はあらかじめ無電解ニッケルめっき(カニゼンメッキ)、硬質クロムめっき、PVD皮膜やCVDによるTiC皮膜処理やTD処理など工具鋼中に入っている炭化物をさらに被覆するような、様々な表面処理が施される。最近では前述の様にセラミックを使用する事により耐摩耗を改善する努力がされている。しかしセラミックでは硬度が高すぎて、実際に塑性加工する材料によっては破損の危険が高まる。工具鋼とセラミックスの中間的な材質に超硬合金があり、これは少量使用される。ただし、工具鋼は材料強度の高さを利用して、熱処理前は比較的やわらかく加工でき、熱処理後の耐摩耗性は格段に向上するといった性質を利用した製造法をとっているのに対し、超硬はその方法が出来ないためコスト高になり、限定的な使用にとどまっている。また最近では自己潤滑性のある工具鋼が開発されてきており、かならずしも表面処理の適用が主流ではなく潤滑油と鋼材の相性などの追及なども現場レベルでは行われている。
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