老朽化の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 13:39 UTC 版)
水道管にも耐用年数がある。従来は補修を始めとした予防的なメンテナンスは、事業規模の問題から後回しになることが多かったといえる。しかしながら、平成16年6月に策定された「水道ビジョン」では持続可能な水道を目指した運営・管理強化の中で老朽化施設の更新、再編・再構築の方向が示された。こうした中、管路としては石綿管と老朽管路の更新を計画的に推進するようになるとともに、基幹管路の耐震化がすすめられた。一方、平成25年3月に策定された「新水道ビジョン」では、強靱の観点からみた水道の理想像として、老朽化した施設の計画的な更新を進めており、管路の耐震化にあわせた老朽管路の更新を進めていく方向性が示されている。 老朽化の問題として、時折、大規模な破裂事故が話題となる。アメリカ合衆国の例では、2008年12月23日にワシントンD.C.にて直径約170センチの水道管が破裂。発生した激流により自動車が押し流されたため、ヘリコプターにより女性と子供らを救出するという事故が生じている。日本でも、全国の水道管の総延長約61万kmのうち、約3万800kmが法定耐用年数(40年)を過ぎており、事故等が懸念されている。既に腐食性が高い土壌では漏水事故や破裂事故が起きはじめており、赤水・濁水や断水の他、車が傷ついたり窓ガラスが破損するなどの被害も出ている。
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