絹本墨画古木牧牛図とは? わかりやすく解説

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絹本墨画古木牧牛図〈毛倫筆/〉

主名称: 絹本墨画古木牧牛図〈毛倫筆/〉
指定番号 1860
枝番 0
指定年月日 1986.06.06(昭和61.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 1幅
時代区分
年代
検索年代
解説文:  毛倫は諸曁浙江省紹興府)の出身で、字を仲庠といった。図に押されている印章から寓軒と号したことが知られる。毛倫の作は文人詩文にも現れず、また歴代著録にも見出されないが、「越画見聞」は毛倫を元時代画家として僅かな記事載せている。それによると、官職に就くことを勧めると目を怒らせて答えなかったということである。絵をもって米塩の資とし、貧に安じ、元という漢民族にとっての暗い時代反抗する気慨を持った文人画家であったようである。
 毛倫の作品本図の他に二点が知られている。そのうち一つ枯柳水牛親子配した図(妙興寺)で、他の一図は寒林図(徳禅寺)である。「越画見聞」は毛倫について善く木石と墨牛を画いたとしており、我国に伝来した三点の毛倫画は画史の記述正しさ証している。画風については特段指摘が無いが、古木形態は鋭い持った特徴ある形態をしており、毛倫は元時代復興した李郭派属することが明らかである。
 図はそのような厳しく鋭い形をした古木水牛牧童配している。大きな牛は牧童綱引く力に抗して歩を止め後ろ見返っている。左端の土坡の蔭には小牛の頭が見えており、親牛は小牛歩み遅さ気遣って牧童抗しているわけである。情愛豊かな光景であり、筆者人間味感じられる古木という主題は唐時代以来永い伝統があるが、毛倫はその伝統的主題牧牛というこれもまた永く画き続けられ来ている主題組み合せ自分特色ある主題とし、李郭派画家としての創意出したものと考えられる。図は毛倫の特色十分に発揮した作品と言えよう。妙興寺一作もなかなか捨て難いところがあるが、保存上にやや難があるのが惜しまれる
 本図伝来については不明である。しかし、妙興寺同じよう主題室町時代の末の曽我宗誉が画いており、これらの毛倫の作品室町時代末までには我国に輸入されたものと考えられる。我国には李郭派伝世は大変少ない。将来中国画の珍しい遺例と言うことができる。



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