絶対的精神
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/14 07:21 UTC 版)
芸術 宗教 哲学 客観的精神の部分をさらに考察したものがのちに『法哲学』になる。最後の「哲学」に至って、端緒の論理学と円環を結んだ体系が完成する。 一見してわかるようにヘーゲルは『3』(三一性 Dreiheit)という数に非常にこだわって哲学体系を築き上げた(主観的 - 客観的 - 絶対的など)。こうした考えは、キリスト教の三位一体説が基になっている。ヘーゲルの弁証法の考え方は、その代表例であるが、フィヒテの弁証法にも認められるし、カントが示した12項目のカテゴリー表(分量・性質・関係・様相の各グループ)にも認められる。 ヘーゲルは、この書を含めこの世界のあらゆるものを自身の哲学体系に取り込もうとし、この世のあらゆる現象を扱う諸学問も、この体系から導出すべきだとし、ヘーゲル自身もこの体系は完成していると見なしていた。しかし、その意図は壮大であるが、それほど割り切って世界が説明できるのか、という素朴な疑問が浮かんでくるのも事実であろう。
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