経済的な昇圧即応車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/28 05:47 UTC 版)
「阪神3601・3701形電車」の記事における「経済的な昇圧即応車」の解説
1954年の3011形登場によって投入が開始された阪神の大型車は、1958年に製造された急行系の3301形・3501形24両と普通系「ジェットカー」の試作車である5001形(初代)以降、普通系「ジェットカー」の量産車5101形・5201形30両を1959年から1960年にかけて製造・運行開始したことにより、普通運用では旧性能の小型車と「ジェットカー」各形式とでは性能面での差が懸絶してしまったことから、残存していた601形を淘汰するとともに、1960年9月のダイヤ改正から昼間時の普通は1101系各形式からすべて「ジェットカー」での運行となった。 この時点では801, 831形や851, 861, 881形といった急行系の小型車は輸送力では劣るものの、運転面ではまだ大型車に追随できることから、大型車に伍して急行・準急運用に充当されていた。しかしながら輸送力の増強は緊急課題であり、同時に阪神の新設軌道各線は1968年に予定されている神戸高速鉄道への乗り入れおよび山陽電気鉄道との相互直通と、それに伴う架線電圧の直流600Vから1,500Vへの昇圧が控えていた。それまでに現存の小型車を置き換えて車両の大型化と輸送力の増強を図ることが求められていた。 従来のような全電動車方式での増備は製造コストがかかりすぎるという難点があったが、この時期になると小型軽量で大出力の主電動機の製造が可能となり、阪神においても急行系車両では電動車 (M) と付随車 (T) を混成したM - T編成でも十分対応が可能と分かったことから、阪神初の本格的な制御車 (Tc) を連結し、併せて1,500V昇圧に対応した3601・3701形を新造することとなった。
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