経団連による見直し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 12:20 UTC 版)
「日本型雇用システム」の記事における「経団連による見直し」の解説
グローバル化やデジタル化の世界的な進展により、国際的な人材獲得競争が激化、過去の雇用制度のままでは、優秀な人材や高度な最新のデジタル技術を持っている人材の獲得が困難になっている。また、採用活動では新卒が重視される風潮下で、中途採用が抑制されるために、雇用環境の厳しい時期に不採用となった優秀な人材の再雇用が阻止されるなど、労働者にとってもデメリットがあることが指摘された。このため、2020年の春闘では、経団連の中西宏明が、このシステムの見直しを問題提起した。 具体的な方策として経団連は、これまでの新卒一括だけでなく、中途採用や通年採用を組み合わせて採用の多様化を推奨している。賃金制度については、年功序列ではなく、業績や能力の評価を重視した制度に移行させるべきとしている。経団連の立場は、直ちに雇用制度を見直すというのではなく、労使交渉での議論を提案した、という立場である。これに対して日本労働組合総連合会(連合)は、日本型雇用システムの見直しは、20年間置き去りにされてきた格差の拡大という問題の解決に直結しない可能性があるとして慎重な姿勢を崩していない。連合の神津里季生は、「日本では、これまで人に力点を置いてきた。それが日本の雇用の強みでもあるので、それを念頭に置いたうえで、考えていくべきだ」と発言し、制度の拙速な見直しは、雇用が不安定を招く恐れがあるため、労働者のセーフティーネットを整備したうえで行うべきとの考えを示した。
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