粘性による後流の効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 01:37 UTC 版)
物体が周囲の流体に対して相対運動する際、物体の進行方向前側から後ろ側へ物体の表面に沿って流動が生じる。物体が通り過ぎた後には物体と流体との摩擦や物体に押しのけられた痕跡が多数の渦として現れる。→カルマン渦列 この物体背後に生じる乱れも後流という。おもに物体後方のよどみ点から生じる。乱流となることもある。 音速以下の流速を持つ外部流れの中に鈍い形の物体を置くと、大きく境界層剥離が起こり。そのような物体の例にはアポロ宇宙船やオリオン宇宙船の降下・着陸用カプセルがある。この現象は航空機の風洞試験でもしばしば発生する。またパラシュートでも重要であり、ラインが短すぎてキャノピー(傘)を逆流領域の外に出すことができなれば、パラシュートは開かずに潰れてしまう可能性がある。後流の中へ展開されたパラシュートは、動圧が不足するため、本来受けるはずの抗力が減少する。 計算流体力学(数値シミュレーション)において後流のモデル化がしばしば試みられる。非定常性や、乱流モデル(レイノルズ平均モデル(英語版)とラージエディシミュレーション(英語版)など)による不確かさを避けられない。適用対象としては、多段ロケットの分離や、航空機からの懸架装備の分離などがある。
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