粒度分布
粒度分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/18 05:02 UTC 版)
ある粒径をもった土粒子の混合割合を粒度という。普通、ふるい分け試験によって得られた重量比で示される。ふるい分け試験では、目の粗いふるいを上から順番に重ね、試料を一番上に乗せてふるうことで、土が粒径ごとに分けられる。 ある粒径のふるい目を通過した土の量の重量百分率(%)を縦軸に、粒径を対数目盛の横軸にしてプロットしたものを粒径加積曲線という。このグラフから重量百分率50%にあたる粒径を、有効粒径 D 50 {\displaystyle D_{50}} と定義する。これが、ある土の中の代表的な大きさの粒子ということになる。 近年ではこの篩い分け法の迅速な代替法として光回折、散乱、画像イメージングなどの各種原理による粒度分布測定装置による測定も実施されている。 さて、土の粒度分布特性を表す指標として,次式で定義される均等係数 U C {\displaystyle U_{C}} と曲率係数 U C {\displaystyle {U_{C}}} ' が用いられる。 均等係数: U C = D 60 D 10 {\displaystyle U_{C}={\frac {D_{60}}{D_{10}}}} 曲率係数: U C ′ = ( D 30 ) 2 D 10 × D 60 {\displaystyle U_{C}'={\frac {(D_{30})^{2}}{D_{10}{\times }D_{60}}}} ここで, D 10 {\displaystyle D_{10}} : 10%通過粒径, D 30 {\displaystyle D_{30}} : 30%通過粒径, D 60 {\displaystyle D_{60}} : 60%通過粒径 均等係数 U C {\displaystyle U_{C}} は,粒径加積曲線の傾きを表す指標であり, U C {\displaystyle U_{C}} が大きくなるほど粒度分布幅が広いことを示す。従来, U C {\displaystyle U_{C}} が4〜5以下の土を「粒度分布が悪い」, U C {\displaystyle U_{C}} ≧10 の土を「粒度分布が良い」と表していた。2000年の地盤工学会基準改定(JGS0051-2000)により,細粒分含有率が5%未満の土について, U C {\displaystyle U_{C}} ≧10 のとき「粒径幅の広い」, U C {\displaystyle U_{C}} <10 のとき「分級された」と呼ばれるようになった。 土質材料のうち、粒径が75µm未満のシルトや粘土を細粒分、75µm以上の砂分や礫分を粗粒分と呼ぶ。全土質重量の中で細粒分が占める重量百分率のことを細粒分含有率 F c {\displaystyle F_{c}} として表している。この細粒分含有率は、土質区分の判別やコンシステンシーをはじめとする工学的特長の推定、地震時に地盤が液状化するかしないかの液状化判定に用いられる。
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