レーザー回折法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 01:29 UTC 版)
粒子にレーザービーム(単色光)を照射すると、その粒子の大きさに応じて様々な方向へ回折光、散乱光が発せられる。粒子径が大きい場合(mm~μm)の回折・散乱光は、粒子の後ろ側、即ちレーザービームの進行方向側に集中する。粒子径が小さくなるにつれ(μm~nm)、回折・散乱光はレーザービーム進行方向の後ろ側へも広がってくる。これらの光の回折・散乱強度分布を解析して粒子径を求める(フラウンホーファー回折、ミー散乱も参照のこと)。乾式と湿式の両方が測定可能で、一回に処理できる試料量が他の手法に比べ、比較的多く、また簡便であるのが特徴である。 粒子が光の波長に対して充分に大きいときは、散乱よりも回折の現象が支配的になるため、フラウンホーファー回折で近似され、回折光(粒子を任意の大きさのスリット径と同等として)説明される。俗に(正式な現象を捉えている言葉ではないが)「前方散乱」と呼ばれる。粒子の物性係数はその近似式に寄与しないため、光の波長だけで計算できるのが特徴である。 粒子が、光の波長に対して等しいか、やや大きいといったときは、回折と散乱の双方の要素を考慮する必要があるため、ミー散乱で説明される。この散乱パターンは、粒子の径に依存した散乱強度分布をもつ。これを、粒子と分散媒(水や空気、溶媒)の屈折率を使って、得られた光の強度分布を解析する。その屈折率の入力値によってはゴーストピークなどを生むので解析には注意が必要である。 なお、粒子群には大きさの異なる多数の粒子が存在しているので、本手法で実際に測定できるのは、体積基準粒度分布として「どれくらいの粒子」、が「どれくらいの割合」で含まれているか、となる。
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