管理と水質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 17:53 UTC 版)
ティグリス川はイラクとトルコで灌漑用水を河谷に隣接する乾燥地ならびに半砂漠地域に導入するために大規模に堰き止められている。こうした水の堰き止めはまた、イラクで洪水の害を避けるために重要な役割を果たしてきた。歴史的にイラクでのティグリス川の洪水は、トルコの山々での雪解け後の4月に発生しやすいことが知られている。 最近のトルコでのティグリス川の堰き止めはトルコ国内の環境への影響と、下流域での流量低下に関連した複数の論争の主題となっている。モスルダムはイラク最大のダムである。 ティグリス・ユーフラテス両河の水は紛争における圧力の手段として利用される。 2014年にはイラクとトルコの複数のステークホルダーの代表者たちの間で、ティグリス川の流量についてのデータの交換、較正、標準的基準の作成の行動計画について、大きなブレークスルーとなる合意が達成された。この合意はシンクタンクStrategic Foresight Group(英語版)によって組織されたジュネーヴでの会議で合意され、「ティグリス川におけるジュネーヴ合意(Geneva Consensus On Tigris River)」と呼ばれる。 2016年、在イラクアメリカ大使館(英語版)とイラク大統領ハイダル・アル=アバーディ(当時)はモスルダムが決壊する可能性があるという警告を行った。アメリカ合衆国はモスルダムが決壊すれば500,000人から1,500,000人が鉄砲水によって水死する恐れがあるとして、人々にティグリス川の氾濫原から避難するように警告した。イラクの主要都市であるモースル、ティクリート、サマッラー、そしてバグダードがこの危険に晒されていた。
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