第9巻 - 第11巻:高校文芸コンクール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 00:43 UTC 版)
「響 〜小説家になる方法〜」の記事における「第9巻 - 第11巻:高校文芸コンクール」の解説
『漆黒のヴァンパイアと眠る月』は「響」の2作目として出版され、初版だけでも30万部になった。凛夏も2作目『竜と冒険』を発表。前作よりも好評だったが、またしても芥川賞ノミネートはならなかった。親友・響の真摯な慰め言葉に、凛夏は素直に感謝することができた。 『お伽の庭』の芥川賞・直木賞同時受賞から1年が過ぎ、山本が5度目のノミネートでついに芥川賞を受賞した。一方、文学部全員で応募した高校文芸コンクールに、響は2時間で書き上げた短編小説『11月誰そ彼』で最優秀賞(文部科学大臣賞)を受賞した。期日ギリギリまで粘って描き上げ、自信を持って臨んだが入賞もできなかった咲希は、芥川賞受賞会見で「何年も努力して書き続け、ただ小説のことだけ考えて、そうやって俺は芥川をとれた」と答える山本に、涙が溢れた。 一方、高校文芸コンクールの審査員たちは『11月誰そ彼』の作者・鮎喰響が「響」であることに気づいており、それは総裁選を控えた文部科学大臣・加賀美にも伝わる。話題作りのためそのことを世間に明らかにしようとする加賀美を、響は表彰式の壇上で殴り倒す。凛夏は響の正体がばれないよう、審査員に掛け合い受賞取り消しを取り付けるが、会場から離れようとしていた響は、マスコミの目前で一昨年・昨年の最優秀賞受賞者・藤代琴子に捕まってしまう。表彰式を誇りに思い、それをぶち壊しにした響を許せないという琴子に対し、響は自分の非を認めて謝罪し、彼女にだけ自分が「響」であることを耳打ちする。琴子は立ち去ろうとする響に思わず「私『お伽の庭』大好きです!」と声をかけてしまい、これにより謎の存在とされていた「響」の素性が世間に知られることとなった。 その後、響は『11月誰そ彼』を読んだ加賀美と和解したが、周囲にはマスコミが押し寄せるようになる。それから逃れるために行方をくらまし、卒業してフィンランドへ旅立つ凛夏の見送りにも姿を見せなかった。そして新学年になると、響の退学が伝えられる。一方、凛夏の下宿先で過ごしていた響は、退学によりマスコミ報道が自粛されるようになったことを聞くと、その日のうちに日本に戻り復学。マスコミも響に接触するわけにも行かず、手玉にとられる結末となった。
※この「第9巻 - 第11巻:高校文芸コンクール」の解説は、「響 〜小説家になる方法〜」の解説の一部です。
「第9巻 - 第11巻:高校文芸コンクール」を含む「響 〜小説家になる方法〜」の記事については、「響 〜小説家になる方法〜」の概要を参照ください。
- 第9巻 - 第11巻:高校文芸コンクールのページへのリンク