第9巻 燃える茨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 04:10 UTC 版)
「ジャン・クリストフ」の記事における「第9巻 燃える茨」の解説
クリストフは労働者階級の集まりに顔を出すようになる。オリヴィエは民衆の中にあっては窮屈だった。そんな中、オリヴィエは靴屋の小僧をしていたエマニュエルという子供を知る。エマニュエルは自分では気づかずに、オリヴィエの大きな影響を受ける。オリヴィエがクリストフと親しくしていると嫉妬するくらいだった。 その年のメーデーにクリストフは、群衆の見物にオリヴィエを誘う。オリヴィエは外出したくなかったが、結局クリストフについて行く。群衆がたくさん集まっていた。オリヴィエはそこで見張り台から落ちたエマニュエルを助けようとして警官ともみあいになり、そのことがきっかけで暴動が始まる。オリヴィエは暴動に巻き込まれて死ぬ。そしてクリストフは警官を殺してしまう。 クリストフはまたも亡命する。今度の亡命先はスイスだった。クリストフは顔見知りだった医師ブラウンを頼りとする。最初は虚脱状態だったクリストフは、精神の底に何か破壊されたものを抱えながらも次第に回復していく。そんな中でクリストフはブラウンの妻アンナと愛し合うようになり、ブラウンに対して罪悪感を感じる。アンナは狭い町の社会の中で監視されていること、そして何より子供の頃から厳しくしつけられていた宗教生活によって罪悪感を感じる。二人はついに行き詰まり、心中しようとするが果たされない。アンナは精神的な傷を負って寝込んでしまう。 逃げるようにブラウンの家を出たクリストフは僻地の農家に隠れ住む。クリストフは創造力を失ってしまい、しばらくもがいたのち、創造の神が再び彼のもとを訪れる。クリストフは自分の芸術の新しい境地に達し、同時に自分を取り戻す。
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