第8次紙幣におけるセキュリティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/19 00:44 UTC 版)
「スイス・フランの紙幣」の記事における「第8次紙幣におけるセキュリティ」の解説
現行の第8次紙幣には、偽札対策として、世界の紙幣の中でも最も複雑なセキュリティが仕組まれていると言われている。縦長の紙幣の表面左端にはアルファベットでA - Hまでのマーキングがあり、それぞれの個所に各紙幣の額面の数字が示されている。 A: パールインク。紙幣の基本色に発色するパールインクで額面を表示。 B: 漉き入れ。額面の数字の漉き入れパターン。 C: 深刻凹版。額面が複雑な模様の凹版で表示。 D: ピンホールセキュリティ。額面の数字のピンホールが開いている。50フラン以下の紙幣には施されていなかったが2000年 - 2002年の間に、100フラン以上の紙幣同様の処理が施された。 E: メタリックインク。紙幣基本色の濃淡が変化するインクで額面が表示されている。 F: 紫外線インク。左右に紫外線に発光するインクで額面が印刷されているが、右が黄色に蛍光を放つ一般的な紫外線発光インクであるのに対し、左側は、紙幣基本色の濃い色に発光する非常に珍しいもの。 G: マイクロ文字フォイル。マイクロ文字の入ったアルミフォイルインクで額面を表示。 H: 潜像凹版。見る角度により額面表示が現れる。 この他各額面ともに4個所にホログラムパッチが施されているが、内2つ(200フランは3つ)のホログラムは、額面数字がアニメーションする複雑なホログラムである。このホログラムは特に「キネグラム」という名称が付けられている。 スイスの紙幣には最近各国の紙幣に見られる複製防止のためのユーリオン模様は採用されていないが、これに代るものとして、2005年以降に製造された紙幣には電子透かしが埋め込まれているという。 この他のセキュリティとしては、安全線も1本漉き込まれている他、黒透かしも採用されている。なお、表の肖像は日本の紙幣のように手彫りではなく、コンピュータによる彫刻である。
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