第30回(2006年)世界遺産委員会の動き
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「ドレスデン・エルベ渓谷」の記事における「第30回(2006年)世界遺産委員会の動き」の解説
ユネスコの世界遺産委員会では、景観に及ぼす影響についてアセスメントを実施し、橋の建設が景観の広がりを分断・限定すると判断した。一帯の文化的景観が損なわれた場合、もはや世界遺産としての「顕著で普遍的な価値」は認められないとの認識を示し、非公式にトンネルなどの代替施設の建設を求める一方、「危機にさらされている世界遺産」リスト(危機遺産リスト)への登録もしくは世界遺産リストそのものからの除去を検討する動きを見せ、市に建設の再検討を求めた。世界遺産委員会からのプレッシャーの中、ドレスデン市は、8月までは着工を見合わせることを約束すると同時に、「橋は世界遺産に適合する」と訴えた。 7月8日から開催された第30回世界遺産委員会では、ドレスデン・エルベ渓谷の危機遺産リストへの登録が決議され、橋が建設された場合、世界遺産リストからの除去が検討される旨の警告がなされた。 直後の7月20日におこなわれたドレスデン市議会は、工事開始に反対し、世界遺産を保持するように議決した。しかし、市長とザクセン州政府は、住民投票を尊重して建設に踏み切る姿勢を示した。 これらの経緯の中で、地域住民などの間では、世界遺産の保護は地元に住む一般市民(直接民主主義)による決定よりも優先されうるべきかということも議論となった。
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