第六文明人の滅亡とイデの発生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/02 05:39 UTC 版)
「イデ」の記事における「第六文明人の滅亡とイデの発生」の解説
“イデ”のシステムは、実験段階では成功した。しかし、数億に及ぶ第六文明人の意志を実際に結集させた本番では、科学者の予想を越えた吸収力を示してしまい、第6文明人の意志そのものをことごとく吸い尽くすパワーとなってしまう。こうして第6文明人は滅びた。 富野由悠季の見解によれば、第六文明人達は、意志をエネルギーに転化するというシステムを思いついた際、そのエネルギー・システムを自分達がコントロール出来ると思っていて、実験的にやってみてもそれほど問題は起きなかった。この時点で、“イデ”を開発している科学者は第6文明人全体の意志を集合させたらどうなるのか?という疑問点を見出す事が出来なかった。そして第六文明人達が実際に実験を行って“イデ”が出来てしまった時、“イデ”本体は己自身のパワーを知らなかった為、決定的かつ爆発的に始動してしまう。イデが「しまった!」と思ったときには、時既に遅し、第六文明人の意志は全部吸い尽くされてしまっていた。「意志の場」をつくるという生易しい段階では止まらず、一気にイデが吸収し尽くしてしまった。それほど、瞬間的に“イデ”が始動してしまったから、イデオンにはイスなどのパイロットが使う居住施設が全く無かったという。 『アニメック』13号のインタビューで富野由悠季は上記のイデ発生の顛末をSF映画の古典である『禁断の惑星』の「イドの怪物と同じ物だと考えてください」と説明した。 小説版によれば、イデは初めての目覚めを得た時、己があまりに雑多なものであるらしいと、つまり混沌そのものである己に戸惑った。イデは己のありようが雑多で、時も所もわきまえずに時空をぐるぐるとかき乱して果てる存在のように思え、それが不愉快なものであると感じる思惟が己の中心にあった。そう感じ得るのは己があるからであろうと、イデには推測はついたが、己の存在の中心を見定める事は出来ず、己があまりに不定形で己のありようを示すべきものを有していないのに、己があるのかと思うのはなぜか不自然のように思えた。自己嫌悪と己の不在から始まったイデのエゴイズムによって、己を確認できないままにイデは安らぎの源となり得る「眠る場所」にて、己のありようを最小のものにして、再度、己を力付けてくれる思惟が手に入るまで眠りにつこうと、イデは思い立った。
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