第一章 江戸川乱歩『孤島の鬼』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 07:57 UTC 版)
「ビブリア古書堂の事件手帖」の記事における「第一章 江戸川乱歩『孤島の鬼』」の解説
智恵子から電話のあった翌日、篠川智恵子に用事がある、いないんだったら古書に詳しい人を呼んで欲しいという客が来た。やってきたのは代理人で、江戸川乱歩の古書に関することだという。栞子は智恵子が何かをしようとしているのなら放っておけないと、大輔と雪ノ下の依頼主の来城慶子のもとへ赴く。昨日の代理人は田辺邦代といい慶子の妹だった。案内された書斎にあった蔵書は、江戸川乱歩の生前に出版した一般向けの著書が、雑誌のバックナンバーも含めて全て揃っている大変な価値あるコレクションだった。慶子は喉頭癌で声帯を取ってしまった上に震災で怪我をして車椅子で生活していた。邦代は宮城県に住んでいたが、震災のこともあり、姉の面倒をみるために鎌倉に滞在しているという事情があった。声帯以外からの発声を練習中だという慶子の会話がわかるのは、妹の邦代と甥のカズヒロだけで、邦代の通訳や事前の打ち合わせからの説明によると慶子は、名士で資産家の鹿山明の世話になっていたが、明が死んだために彼の蔵書と雪ノ下の家を相続していた。姉妹は一冊のフェルトのカバーがかかった江戸川乱歩の著書の初版本を示し、本に触れずに書名を回答することを求められる。これは依頼にあたってのテストであり栞子は『孤島の鬼』と正解する。クローゼットにある特殊な金庫を見せられ、金庫の中には明が慶子に遺した江戸川乱歩に関する何らかの珍品が入っており、開けるためには鍵の他に暗証番号が必要で、鍵は鹿山家から届けてもらう手はずだが、暗証番号が不明なので調べて欲しいという依頼内容だった。成功すれば蔵書を全てビブリア古書堂に売るという。慶子からこれ以上の情報を得ることは身体的な障害のためか捗々しく行かなかったので、さらに詳細な鹿山明の情報は、書いて纏めてたものを届けてもらうことになった。邦代は、慶子のいないところで、実は鹿山家から鍵は見つからないと言ってきたので、鍵の捜索もやって欲しいと頼んできた。
※この「第一章 江戸川乱歩『孤島の鬼』」の解説は、「ビブリア古書堂の事件手帖」の解説の一部です。
「第一章 江戸川乱歩『孤島の鬼』」を含む「ビブリア古書堂の事件手帖」の記事については、「ビブリア古書堂の事件手帖」の概要を参照ください。
- 第一章 江戸川乱歩『孤島の鬼』のページへのリンク