第一章 昏迷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 14:29 UTC 版)
学習院高等科で皇太子である宮と同学年の吉彦は、ある日宮内庁直轄のアメリカ人教師の通訳・沢田恵子を皆で罵る。吉彦や友人の谷津は、宮から人間的生活を奪う宮内庁の前世紀的なありかた、ひいては敗戦後アメリカに支配される屈辱と、それに対する議論さえもタブーになっている学校の現状を語り合う。戦後も学習院の中では宮の取り巻きかつ幼稚園や初等科からいる元貴族階級が支配的で、平民出身で中等科から途中入学の吉彦は劣等感を抱き、宮の友人にならないかという京極の誘いを断る。そんな中で水野は、宮は生徒同士の勢力争いの道具にされ、誰も本当の意味で彼を愛そうとはせず、宮自身も意思を持たない精神的不具に仕立て上げられてゆくのを見るに堪えかねて彼から離れたこと、学友たちばかりでなく日本全体が宮に対する加害者であると言い、本当に人間として宮を愛すれば、彼から去らねばならなくなると吉彦らにぶちまける。
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