神経免疫学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 10:56 UTC 版)
ヘンリエッタ・レオナルドとスーザン・スウェドは彼らの論文「Paediatric autoimmune neuropsychiatric disorders associated with streptococcal infection (PANDAS)」で神経免疫学的危険因子ついてのエビデンスを提供した。研究者達はレンサ球菌に感染後に起こる場合のある自己免疫反応が、小児期のOCD発症の潜在的環境要因である可能性を示唆している。1980年代にOCDの子供達の大規模なコホートが前向きに評価されていた。レンサ球菌感染の後、子供のサブグループは「一晩中発症する(coming on overnight)」と特徴づけられるほどのOCD症状の悪化を示す。この研究から導かれる一次仮説では、場合によってはレンサ球菌感染症に対する抗体が、大脳基底核を攻撃し損傷させる自己免疫反応の結果としてOCDを発症する可能性があるというものである。 強迫観念と強迫行為はトゥレット障害、パーキンソン病、てんかん、統合失調症、ハンチントン病、嗜眠性脳炎、シデナム舞踏病及び特定の脳領域の損傷を含む他の一部病状において非常に一般的であり、OCDと同様にこれらの症状でも大脳基底核に異常を示している。大脳基底核では認知、感情、動作の仲介を担っており、本領域の混乱は強迫(繰り返し放出される行動パターン)と衝動(様々な刺激により突然放出される行動パターン)を特徴とする多くの症状を引き起こす。これはOCD患者の症状は大脳基底核の異常な機能の結果である可能性を示唆している。
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