神秘の黙想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/08 07:57 UTC 版)
それぞれの神秘の内容は以下のとおりである。 〈喜びの神秘〉 1、お告げ(受胎告知) 2、エリザベト訪問 3、降誕 4、主の奉献 5、イエスが神殿で見いだされる(英語版) 〈苦しみの神秘〉 1、ゲッセマネの苦しみ 2、キリストのむち打ち(英語版) 3、いばらの冠(英語版) 4、十字架を担うキリスト(英語版) 5、死去 〈栄えの神秘〉 1、復活 2、昇天 3、聖霊降臨 4、マリアの被昇天 5、マリアが天と地の元后とされる(英語版) 〈光の神秘〉 1、キリストの洗礼 2、カナの婚礼 3、宣教のはじめ 4、主の変容 5、聖体の制定(最後の晩餐) 曜日の振り分けは、月曜日・土曜日に「喜びの神秘」、火曜日・金曜日に「苦しみの神秘」、水曜日・日曜日に「栄えの神秘」、そして木曜日に「光の神秘」とされている。これらの神秘は、伝統的には「喜び」「苦しみ」「栄え」の3種類で、「ロザリオの十五玄義」とも呼ばれていたが、2002年に教皇ヨハネ・パウロ2世によって新たに「光の神秘」が提唱されて付け加えられ、曜日も一部変更された。なお、かつて日本のカトリック教会では、この神秘と黙想のことを「玄義」と呼び、「喜びの玄義」「第一玄義」…などのように呼んで唱えていたが、現在は「喜びの神秘」「第一の黙想」などというのが公式な呼び方となっている。 これらの祈り方・黙想はカトリック教会によって提唱されているもので、教会でミサの前後などに一同で唱える場合はおおむね上記の内容に沿って祈ることが多いが、必ずしもその曜日のとおりに決められているわけではなく、私的な祈りなどにおいては祈り方はある程度自由であり、一環(五連)でなくとも短い時間で一連か二連だけ唱えたり、個別の意向で祈ることも可能である。また、一連の終わりに「ファティマの祈り」、一環の終わりに「サルヴェ・レジーナ」や「聖マリアの連願」などの祈りを付け加えることもある。『カトリック教会のカテキズム 要約(コンペンディウム)』には、付録部分に「ロザリオの結びの祈り」と「祈願」が掲載されている。 また、祈りの中の「主の祈り」「アヴェ・マリアの祈り」などの個々の祈りは、日本のカトリック教会で古くから慣れ親しまれてきた文語体の祈祷文(「主祷文」「天使祝詞」など)から、1990年代中頃-2011年にかけて現在の口語体の祈祷文に変更されてきた経緯があるが、私的な祈りでは従来の文語体の祈祷文で唱えてもよいとされている。 カルメル会のアビラの聖テレジアは、著書『完徳の道』(ISBN 4003381718) で「祈りの際は熱心に雑念を払って強く断固とした態度で祈るように」と強く勧めている。テレジアは、祈る際の雑念を悪魔達と呼び、祈りに集中することに専心すべきで雑念には決して注意を払うべきではないことを強調している。
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