確定草案の受け容れへ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 16:48 UTC 版)
「GHQ草案手交時の脅迫問題」の記事における「確定草案の受け容れへ」の解説
GHQは確定草案(英文)のコピー10部を白洲を通じて内閣に届け、それを5日中に受諾するかどうかの回答を要求していた。これに対し松本は、確定案はとうてい承認できないので、再対案を作成の上交渉を再開することを主張し、日本側の自主的な案として発表する考えの多数派と対立した。これに対し、三土内相、岩田法相は松本と論戦を行い、楢橋書記官長(国務大臣兼務)、石黒法制局長官(国務大臣兼務)、入江法制局次長等が「不満足でもあることは重々分かるが、これを日本側の自主的の案として先方と同時に発表するという態度に出るほかあるまい」と説得に努めた。さらに、松本は改正手続きの点でも他閣僚と対立した。確定草案は前文で国民が憲法を発議することになっており、明治憲法第73条(発議権は天皇にある)と矛盾した。その矛盾を勅語により天皇が発案した形にして解決する案に辿り着くまで時間を要した。松本はそのアイディアを、既に2月22日にホイットニーから聞いていたが、そのことを一言も言わなかった上、閣議でそのアイディアが出された時、「それは三百の議論だ」と言い、さらに「勅語を仰ぐとしても誰が副書するのか、かような勅語に閣僚が副署するのは面白くない」と発言した。そこで内閣書記官が調査して、勅語に副書は不要と判明したので松本はようやく納得した。
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