硬貨存廃を巡る議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 03:31 UTC 版)
「1セント硬貨 (アメリカ合衆国)」の記事における「硬貨存廃を巡る議論」の解説
様々な人々から「1セント硬貨は通貨単位から廃止されるべき」との提案がなされている。理由は様々だが、アメリカ合衆国に住む人々は、クレジットカードでの決済で、1セント硬貨を実際には使っておらず、チップで受け取ったお釣りに入っている程度か、若しくは、より上位の通貨単位に両替するため、銀行に赴くのみであるとの指摘も含まれている。 近年に製造された自動販売機も、実際には1セント硬貨を受け付けておらず(商品は1個1 - 2ドル。よって逆に1ドル紙幣を受け付ける仕組みが必須)、実用性も更に薄くなるばかりか、最近の金属価格高騰により、2014年でも1セント硬貨の製造に掛かる費用が、実際の額面価値を超えている点も挙げられ、カナダドルとオーストラリア・ドルでは、1セント硬貨が廃止されている。 また、こうした論争がアメリカ合衆国議会にまで拡大した例として、2001年と2006年にはアリゾナ州選出の下院議員、ジム・コルベにより、セント硬貨の製造を中止する内容を盛り込んだ法案が提出されている(2001年の法案は「Legal Tender Modernization Act」、2006年の法案は「Currency Overhaul for an Industrious Nation Act, 略称: COIN」)。 一方で、2012年に行われた調査によれば、アメリカ国民の3分の2が存続を望んでいる。この理由について、ウェイクフォレスト大学教授で経済学者のロバート・ウェイプルズは、損得ではなく愛着心に拠るものとし、いくら廃止の利点が挙げられようとも、実際に廃止に至ることはないと指摘している。 なお、最小単位の貨幣の廃止(英語版)は世界的に見られ、カナダでは2013年2月4日をもって、1セント硬貨が廃止された。
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