発見と確認
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 13:43 UTC 版)
2011年1月、ケプラー10系の中でケプラー10bのトランジットが確認された後、ケプラー10のスペクトルが視線速度の影響を受けていることが検出されその近くで別の公転している惑星がある可能性が提案された。しかしケプラー10bの発見当初はケプラー10cの存在は可能性に留まり反応は真であるが実際には偽である、いわゆる偽陽性であるとされた。視線速度を使った惑星の発見方法では成果があがらなかったため偽陽性である可能性を排除するためにBLENDERという技術が使用された。 BLENDERの使用はケプラー10cと思われる天体の通過時点でのケプラー10の光度曲線を更に正確にするために用いられ、2010年8月30日から11月15日まで運用されていたスピッツァー宇宙望遠鏡のIRACカメラにより補われた。トランジットを引き起こす天体は恒星特有の色を発しない天体であり、惑星であることが示唆された。また、ケプラーの可視光による観測とスピッツァーの赤外線による観測を比較してもトランジットの兆候に相違がなかったためこの惑星の存在は同定された。もしケプラー10と天球上では同じ位置にある恒星による別のトランジットの兆候であればケプラー10cの存在は否定されるが、別の恒星なら別のトランジットの兆候が起こるため99.998%、ケプラー10cであると考えられている。 W・M・ケック天文台により得られたスペクトルと複数の観測では付近の恒星の影響である可能性の排除し、天文学者が納得できるような結果を出すことを試みた。その結果実質的にはケプラー10と地球と一直線上にある恒星の影響である可能性は排除されたがもしこのような場合があった場合その恒星が巨星ではないことが分かった。 天文学者はこの惑星の存在を確信を高める方法でケプラー10cを発見できた。かつてKOI-072.02と呼ばれていた名前はケプラー10cと改名された。この発見は2011年5月23日にアメリカ天文学会で公表された。 ケプラー10cはケプラーの観測対象天体の中では光度曲線の下落が小さいためその検出にスピッツァー宇宙望遠鏡が使われた初めての天体である。発見当時はスピッツァー宇宙望遠鏡でないと解析を行うことはできなかった。また、この惑星は統計的に発見された3番目の系外惑星でありケプラー9d、ケプラー11gに次いで発見された。ケプラー10cの発見を公表した論文ではこの発見方法がケプラーの観測対象天体の大部分で検証できることを示唆した。
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