発生生物学モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 00:43 UTC 版)
TCI理論(Temperament and Character Inventory)といった現代的な性格の概念では、危険や報酬に対する基本的で反射的な反応を反映していると考えられる4つの基本的な気質が示唆されている。損害回避、報酬依存、新奇性追求、固執の4つの気質は、気質がそれぞれの距離の分類ではなく次元を反映しているとはいえ、四気質(胆汁質、多血質、粘液質、憂鬱質)の性格タイプという古代にあった概念に多少類似している。性格に対する因子に基づくアプローチでは、有意な差異を説明するモデルが得られているが、発生生物学的モデルは、基礎となる生物学的プロセスをよりよく反映していると主張されている。五因子モデルとは異なり、遺伝的、神経化学的、神経解剖学的にそれぞれの気質的特徴の原因となる相関関係が観察されている。 損害回避形質は、島状そして扁桃体の感覚ネットワークにおける反応性の亢進と関連しており、5-HT2受容体の末梢的結合の低下、GABA濃度の低下とも関連している。新奇性追求は、島状感覚ネットワークにおける活動の低下と関連しており、線条体の接続性が増加している。また、線条体におけるドーパミン合成能力の低下、中脳における自己受容体の利用可能性の低下とも相関している。報酬依存はオキシトシン系と関連しており、血漿オキシトシン濃度の上昇が観察され、視床下部のオキシトシン関連領域の量も増加している。固執は、線条体-mPFC結合の増加、腹側線条体-前頭前野-前帯状体回路の活性化の増加、およびノルアドレナリン作動性トーンの増加を示す唾液アミラーゼレベルの増加と関連している。
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