症状および徴候
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 21:43 UTC 版)
胃腸炎では通常下痢と嘔吐の双方がみられることが多く、また頻度は下がるものの、そのいずれかのみがみられることもある。腹部痙攣を生じる場合もある。症状および徴候は通常、感染から12〜72時間で発現しはじめる。 ウイルス性胃腸炎の場合、症状は通常1週間以内に軽快し、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛を伴うことがある。血便がみられる場合、ウイルス性である可能性は低く、細菌感染が疑われる。一部の細菌感染では重度の腹痛を伴い、数週間続くことがある。 ロタウイルスに感染した小児は通常3〜8日以内に全快する。ただし貧困国では重度の感染に対する治療が行き届かないことが多く、下痢が長引くことが多い。下痢の合併症として脱水が頻繁にみられる。脱水の程度が顕著な小児例では毛細血管再充満時間(英語版)が長く、皮膚の張りの低下、呼吸異常などがみられる。衛生状態が悪く栄養失調のみられる地域では感染を繰り返すことも多く発育不全や長期的な認知機能の発達遅延をもたらす場合がある。 カンピロバクター属細菌感染者の1%が反応性関節炎を、0.1%がギラン・バレー症候群を発症する。志賀毒素(ベロ毒素)を産生する腸管出血性大腸菌や赤痢菌に感染すると、血小板減少や腎不全、溶血性貧血の結果、溶血性尿毒症症候群 (HUS)を発症することがある。小児の方が成人よりもHUSを発症しやすい。ウイルス感染では良性小児てんかんを来たすこともある。
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