男性不妊の原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 01:40 UTC 版)
精子・生殖器疾患 そのため、年齢原因でない40歳未満男性不妊の原因は、精子の形成や成熟ができないなど精子を作る過程に問題がある造精機能障害、精子の輸送経路が障害されているなど健康な精子造成後の射精まで問題がある精路通過障害、精嚢、前立腺の炎症によって精子が影響を受ける副性器の障害、性交・射精ができない膣内射精障害など性機能障害が知られている。 男性不妊症は病因別に造精機能障害が90%、精路通過障害が5%、性機能障害が3%、半陰陽、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、先天性副腎皮質過形成、精巣性女性化症候群などY染色体上の異常などを含むその他の原因が2%である。このように、造精機能障害が不妊男性の原因全体の大多数を占めている。 男性不妊の原因の90%は造精機能障害なため、基本的に精液分析を最初に行う。精液機能の分析により乏精子症、精子無力症、奇形精子症、無精子症などの診断がつく。これらの原因は染色体異常、精索静脈瘤、精巣炎、停留精巣、特発性などが知られている。精路通過障害としては先天的発育不全、精管炎、精巣上体炎が知られ、副性器の障害としては精嚢炎、前立腺炎が知られている。なお、造精機能障害の原因は加齢による劣化も原因のひとつとして考えられる。2005年にコペンハーゲンで開かれた欧州ヒト生殖学会議(ESHRE)での報告によると、被験者2,100人を対象としたリサーチで、45歳超の男性の精子DNAの損傷はそれ以下の年齢グループに比して有意に高く、30歳未満の男性との比較では2倍であった。 精子の老化 女性のように年齢単体で確実な不妊とならないものの、精子の質は年齢で低下する。それまで健康な精子を持っていた男性でも35-40歳頃、平均値で40歳から妊孕能・生殖能力が下落し始める。30歳男性に比べて、45歳男性の生殖能力は25%ほど下落する 。
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