田治見家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 23:07 UTC 版)
落武者たちの殺害の首謀者である田治見庄左衛門の子孫。東屋と呼ばれる村の分限者(金持ち、資産家)。資産は1949年(昭和24年)当時の金額で1億2000万円以上にも達する。 田治見小梅(たじみ こうめ) 田治見小竹(たじみ こたけ) 一卵性の双子の老姉妹。未婚。要蔵の伯母(辰弥の大伯母)で、両親を失った要蔵を育てた。田治見家の財産を狙う親族に嫌悪感を持ち、子供がなく頼りない久弥・春代に失望している。 田治見要蔵(たじみ ようぞう) 田治見家先代。自分の思い通りにならないものを権威で捻じ伏せる、身勝手で独善的な暴君の如き性格。 26年前、井川鶴子を無理矢理に妾にした。鶴子母子が家出して10日余り後、発狂して村人32人を虐殺し、山の中へと姿を消した。後に鍾乳洞の「猿の腰掛」で虐殺された落武者の甲冑を纏い、屍蝋化した遺体で発見された。前途を悲観した小梅・小竹姉妹に毒殺されたとされる。 田治見おきさ(たじみ おきさ) 要蔵の妻。26年前の事件で、要蔵に斬り殺された。 田治見久弥(たじみ ひさや) 要蔵の長男で、田治見家当代。事件当時数えで41歳。肺病(肺結核が肺壊疽まで進行しているとされる)を患っており自分の寿命が短いことを悟り、辰弥に田治見家の跡取りとなることを心より願い、病床の中で辰弥を探し出し家を託す。辰弥が父・要蔵の血を引いていないということを承知の上で彼を跡継ぎに選んだ。 田治見春代(たじみ はるよ) 要蔵の長女。35、6歳の、少し髪の縮れた色の小白い女性。1度は嫁いだが、心臓が弱く子供が産めない体となったため離縁され、実家に戻って小梅と小竹の身の回りの世話をしている。 辰弥が腹違いの実弟ではないことを知っており、初対面から異性として密かに好意を寄せ、辰弥の気持ちを察するとともに、辰弥に近づく女性にあからさまな嫉妬を示したりもしている。
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