生誕100周年と再評価への動き
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「胡耀邦」の記事における「生誕100周年と再評価への動き」の解説
中国共産党は2015年11月20日、胡の生誕100周年の記念座談会を北京・人民大会堂で開き、習近平党総書記ら党最高指導部の政治局常務委員が全員出席した。胡の死が天安門事件の伏線となっただけに、「胡氏の評価は、鄧小平氏の否定につながる敏感な問題」(北京大学の政治学者)と言われ、その歴史的位置づけに党は腐心してきた。江沢民党総書記の時代は党中央は追悼行事をしなかった。また前述のように、胡錦濤党総書記時代は、生誕90周年にあたり、座談会に政治局常務委員が3人のみ出席しただけで、胡錦濤総書記は、座談会に欠席した。これに対し、習指導部は盛大に追悼行事を行い、演説で胡を「偉大な革命家で政治家」と讃え、庶民に心を砕き、実務的な政治姿勢を崩さず、清廉さを保った胡に学ぶべきだと述べた。また、胡の著述をまとめた「胡耀邦文選」の出版も認めた。しかし、習総書記の演説では民主化問題には触れなかった。政治改革を巡る議論には踏み込まず、中国の発展に力を注いだ胡の「理想」を強調することで、党内の融和と団結を訴えた。ただし、中国中央電視台の胡耀邦生誕100年記念番組中、1982年9月14日付けの胡の共産党総書記就任を伝える党機関紙・人民日報の1面を映したが、その紙面にあった趙紫陽の写真が外されていたことが朝日新聞で報じられた。人民日報にあった本来の紙面では、胡耀邦、葉剣英、鄧小平と並んでいた趙首相の写真が、序列5位の李先念国家主席の写真に差し替えられていた。第2次天安門事件をタブー視する姿勢に変化がないことを示すものである。
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