生産物責任の特例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/09 04:01 UTC 版)
「不法行為の準拠法」の記事における「生産物責任の特例」の解説
生産物で引渡しがされたものの瑕疵により他人の生命、身体又は財産を侵害する不法行為によって生ずる生産業者等に対する債権の成立及び効力については、通則法17条の規定にかかわらず、被害者が生産物の引渡しを受けた地の法によるとして(通則法18条本文)、いわゆる市場地法を準拠法にすることを原則とした。 ただし、問題となる引渡地における引渡しが通常予見できないものではない場合については、生産業者等の保護の観点から、生産業者等の主たる事業所の所在地法(事業所を有しない場合は常居所地法)によるとの例外を認めている(通則法18条但書)。例えば、A国に事業所がある生産業者甲が、B国の定める安全性に関する基準に合致した製品をB国に輸出したところ、盗難により基準が異なるC国で販売され、C国で製品を購入した乙が欠陥により損害を被った場合、原則的として甲の責任の準拠法はC国法になるが、客観的に見てC国での引渡は予見できないと判断される場合は、A国法が準拠法になる。 なお、通則法において、一般的に使われる「製造物」や「製造業者等」という語を用いず、「生産物」や「生産業者等」という語が用いられているのは、日本の製造物責任法(平成6年法律第85号)で使用されている語より広い概念を意味することによる。
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