生産状況と皇后御親蚕
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 07:58 UTC 版)
宮中では、近代以降、産業振興の意味も込めて、歴代皇后が養蚕を行っている(皇后御親蚕)。昭和天皇の后である香淳皇后は、昭和天皇が即位の礼を行った1928年(昭和3年)より養蚕を行っており、1947年(昭和22年)6月3日の記者会見で「古い日本種を保存したいと思って、小石丸も飼っています」と、当品種を紹介した。 明治から大正にかけて珍重された品種であったが、生産性が低いため衰退し、昭和末期には宮中に残るものも廃棄が避けられない状況だった。しかし、1989年(昭和64年/平成元年)に平成の践祚を迎え、新たに皇后美智子(当時、現:上皇后)が養蚕を引き継いだ際に、皇后の意向で小石丸の飼育がわずかながら継続された。 1994年(平成6年)に、小石丸が正倉院にて保存されていた絹織物(古代裂)の復元に必要であることが判明し、増産を経て、16年間、正倉院に対し小石丸の繭を提供した。復元は2010年(平成22年)に終了した。
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