生物間の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 05:29 UTC 版)
上記のような交通事故など、開発に伴う原生林の伐採、湿地の開発といった人間の手による自然環境の改変と並んで、飼い猫や野良猫との競合や伝染病の伝播、交雑による遺伝子汚染や、イヌによる捕食などが懸念されている。特に懸念される要因は飼い猫が野生化・半野生化した野良猫の存在であり、食物を奪い合う競合関係による圧迫、野良猫との接触による猫免疫不全ウイルス感染症(いわゆるネコエイズ)をはじめとする感染症、これまでのモニタリングでは検出されていないが交雑による純血個体の減少が懸念されている。 1999年6月に野生生物保護センターなどによる飼い猫や野良猫50匹とイリオモテヤマネコ23匹を対象とした調査で、イリオモテヤマネコからは猫免疫不全ウイルス感染症の原因となる猫免疫不全ウイルス(FIV)は検出されなかったが、飼い猫や野良猫3匹からFIVが検出された。イリオモテヤマネコへの感染が懸念されたため、翌2001年に竹富町では飼い猫の登録を義務づける「ネコ飼養条例」が制定され、さらに2008年6月には飼い猫のウイルス検査や予防接種、避妊・去勢手術、マイクロチップの埋め込みの義務化や飼育頭数の制限など厳しい内容に改正されている。さらに耳腺などから強い毒液を分泌するオオヒキガエルが島に入り込んでいることが判明し、西表島へのさらなる侵入や定着を防ぐために、2008年から石垣島で市民参加の駆除活動が行われている。
※この「生物間の問題」の解説は、「イリオモテヤマネコ」の解説の一部です。
「生物間の問題」を含む「イリオモテヤマネコ」の記事については、「イリオモテヤマネコ」の概要を参照ください。
- 生物間の問題のページへのリンク