生物進化から生命の起源を探るアプローチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 05:09 UTC 版)
「生命の起源」の記事における「生物進化から生命の起源を探るアプローチ」の解説
化学進化説に関する考察や実験は、「おそらく無機物から生命への進化が起きたのだろう」と推論し、可能かも知れない道筋についてより細かい仮説を立てたり、個々の仮説が実際に起こりえるのか、科学者が推定した太古の地球上の環境を「in vitro」で具体的に実験を行うことであり、1980年代まではそのような流れが支配的であった。だが、多くの科学者が、太古の地球にあったであろう環境を作って、たとえば雷などを再現するために高圧電流を流すなどの検証実験をいくら行っても、生命が誕生するということは起きなかったので、しだいに化学進化論に関して検証実験を行わなくなっていった。 1977年、カール・ウーズらによって第3のドメインとして古細菌が提案されると、これを含めた好熱菌や極限環境微生物の研究が進行した。これらの研究から、生命の起源に近いとされる生物群の傾向が明らかになってきた。これにより、生物進化をさかのぼる方向で生命の起源を探る、というアプローチが可能となった。 生命誕生以降の生物進化から生命の起源を探る試みは、化学進化説とは異なり非常に多くの生命のサンプルを要した。多くのサンプルを用いながら、真正細菌、古細菌、真核生物の系統樹を描くことから、そうした試みが始まったと言える。進化系統樹を描く試みは従来、低分子のタンパク質アミノ酸配列(フェレドキシン、シトクロムcなど)を元にしたものが多かったが、DNAシークエンシング法やPCR法の確立などにより、より大きなデータを取り扱うことが可能になってきた。16S rRNA系統解析によれば、共通祖先に近い原始的な生物は好熱性を示すものが多く見られることがわかった[要出典]。 しかし、最初の生物がどのようなものであったかが明らかになるには、なお研究中である。
※この「生物進化から生命の起源を探るアプローチ」の解説は、「生命の起源」の解説の一部です。
「生物進化から生命の起源を探るアプローチ」を含む「生命の起源」の記事については、「生命の起源」の概要を参照ください。
- 生物進化から生命の起源を探るアプローチのページへのリンク