生物的特徴と利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 19:53 UTC 版)
ポルチーニ各種を始め、イグチ科のキノコのほとんどはマツタケやトリュフ同様、樹木の根に菌根を作って共生する菌根菌であるため、純粋培養による栽培は困難であり、いまだに成功していない。そのため、流通するポルチーニは全て天然ものを採集したものである。 ヨーロッパでは20世紀後半に酸性雨などの環境破壊によって森林の衰退が進み、菌根菌の発生量が減少した。そのことが大いに影響し、21世紀においては、中国にて収獲されるポルチーニ(ヤマドリタケ(美味牛肝菌)の近縁種ムラサキヤマドリタケ)が多く世界に流通している。狭義のポルチーニであるヤマドリタケは、亜高山帯の針葉樹林のほかではほとんど見られない。 中国雲南省ではスライスした乾燥品(乾物)も販売されているが、現地で一般的なのは生のものであって炒め物やスープ料理に用いられることが多い。先述のとおり、ポルチーニとされるキノコは原則としてヤマドリタケとされているが、ヤマドリタケモドキ、ススケヤマドリタケ、ムラサキヤマドリタケもこれを含む場合があり、特に中国産の乾燥品はムラサキヤマドリタケが多いと言われている。 日本におけるポルチーニの流通形態は、主にスライスした乾燥品であり、一部に冷凍品も出回っている。自然発生品を採集するしかないため、生が出回る時期は限られる。イタリアから輸入されるポルチーニが珍重される一方、日本にもヤマドリタケの近縁種であるヤマドリタケモドキ(風味・歯切れはヤマドリタケよりやや劣るとされる)が産することはあまり知られておらず、商業ベースでは利用されていないのが実情である。
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