環状剥皮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 04:00 UTC 版)
環状剥皮. 取り木 (環状剥皮部分を覆って保護している). 木本植物において師部は樹皮内層に存在するため、樹皮を環状に剥離することで師部を断ち切ることができ、この手法は環状剥皮 (環状はく皮、環状除皮、girdling, ring barking) とよばれる (右図)。環状剥皮は林業、農業、園芸などさまざまな分野で利用される。 例えば樹幹で環状剥皮を行うことによって、その植物を枯死させることができる (巻き枯らし、巻枯らし)。ビーバーはしばしば環状剥皮を行い、移入されたアルゼンチンにおいて樹木を大規模に枯死させたことが報告されている。林業においては、間伐作業の省力化・安全化のために環状剥皮が利用されている。ただしこの作業は林内に多数の枯死木を生じさせることになり、幹折れ等による危険や枯死木を利用する害虫増加を招くことが懸念されている。また外来樹種の除去にも同様の手法が利用される。 また枝などに環状剥皮を行うと、その部分より上側に糖など同化産物が留まる。さまざまな樹種において、環状剥皮が樹勢抑制、着花促進、生理落果の抑制、果実品質の向上などに効果的であることが報告されており、ブドウ、カキ、柑橘類などでは実用化されている。また環状剥皮された部分の上で不定根形成が促進されることがあるため、林業、農業、園芸においてこれを使って栄養繁殖させることもある (取り木とよばれる) (右図)。
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