環状列石25号,28号,32号でおこなわれた造墓活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 17:45 UTC 版)
「セネガンビアの環状列石」の記事における「環状列石25号,28号,32号でおこなわれた造墓活動」の解説
セネガンビアの環状列石における造墓活動について、Sine Ngayène遺跡の25号,28号,32号の3基の環状列石を例に述べる。図示したように25号環状列石では、最初におおきな墓坑を掘る(以下、「一次墓坑」と呼ぶ)。これは28号,32号でも同様である(図1-1)。 次に25号では、一次墓坑の床面の北側部分に小規模な墓坑(1号小墓坑)を掘りくぼめる(図1-2)。最初に埋葬されたのは、被葬者9号であり、槍先の尖頭器と銅製のブレスレッドを副葬品として伴っていた。その後、被葬者5~8,10~14,16~23が埋葬される。被葬者7,8,16,17号が槍先の尖頭器を副葬品として伴っている。ひざを曲げた屈葬か伸展葬で埋葬されている。さらに1号小墓坑の南側にやはり小墓坑(2号小墓坑)を掘り(図2-4)、最初に被葬者13号が埋葬された。被葬者13号は槍先の尖頭器のほかに鉄製のブレスレッドと指環を副葬品として伴っていた。そして、被葬者15,24~28号が埋葬される。被葬者9号と15号の間にある副葬品の槍先につける多数の尖頭器と銅製ブレスレッドは、おそらく15号に伴うものと推察される。やはりひざを曲げた屈葬か伸展葬で埋葬されている。その後、一次墓坑の内部にマウンドをつくる(図2-6)。次に一次墓坑をそっくり埋めるようして被葬者1号から4号を座位屈葬で埋葬する(図3-7)。被葬者1号に銅製ブレスレッド、被葬者2号には、鉄製ブレスレッドと槍先につける尖頭器が副葬品として伴っていた。最後に一次墓坑の周囲を囲むように石柱を円形に並べ、その外側に墓標を表すかのように石柱を建てる(図3-8)。墓標の石柱の下には土器が埋められる。図示していないが、その後の外部からの堆積作用で墓坑の位置が忘れ去られ、石柱のみが立っているように見える。被葬者の遺体は28体確認されている。 28号は、一次墓坑の底部に一挙に埋葬を行い、ある程度の埋め立てを行う。次に再度埋葬を行なって今度は完全に埋め立てる。そして墳丘状に盛り上げる。その次に一次墓坑の周囲を円形に列石をその低い墳丘の周囲にめぐらせる。その後に墳丘部分を礫で覆う。28号の被葬者数は、56体である。 32号は、一次墓坑の底部に、小墓坑を掘りくぼめないで2回にわたって埋葬を行なう。その後25号のように一次墓坑の内部に墳丘を造り、次に3度目の埋葬を行なう。3回目の埋葬の後に一次墓坑はすべて埋め立てる。その後一次墓坑の周囲を円形に列石をめぐらせて、その外側に墓標を表すかのように石柱を建てる。おそらく墓標となる石柱の下に土器が埋められる。32号の被葬者数は、10体である。
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