環状列石52号の調査成果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 17:45 UTC 版)
「セネガンビアの環状列石」の記事における「環状列石52号の調査成果」の解説
環状列石52号は、遺跡の北東端に位置し、もっとも近い遺構から120m離れた場所に位置する。この環状列石は直径3m50cmを測り、12個の列石で構成されている。そしてさかさのようになった「墓標」が印象的である。「墓標」の石は1m90cmあって環状列石から東側へ1m50cm離れた位置に建てられていたが、現在では三つの石塊のようになって壊されており、おそらく破壊されて放棄されたものと考えられる。発掘調査に当たっては、環状列石を9m×9mの81m2で、4区分に分けて調査区を設定し、内側と外側の両方にトレンチを入れた。こわされた墓標に近い北東区から6つの容器がまとまって出土した。環状列石の内側は2/3が発掘調査され、残りの1/3は土層観察(セクション図)作成のために残された。発掘調査にあたっては、人為的な痕跡が消失する1m80cmまで掘り下げられた。その結果、深さ1m50cmの層位まで掘り下げて2箇所の埋葬があらたに発見された。 埋葬1号は、深さ1m10cmから1m40cmの位置で発見された。南北1m80cm、東西1mの楕円形に遺体の骨が集められている。位置としては環状列石の中央部に位置する。この埋葬は2次的なものであり少なくとも三つの頭蓋骨がたくさんの長い骨といっしょに埋葬されている。もしかしたらこれらの骨は実際に三体分の埋葬であって三つの頭蓋骨はそのことを表している可能性がある。頭蓋骨のうちあるものは、真ん中に置かれて、取り囲むように鉄製の副葬品を伴っている。ふたつの鉄製の槍先、一つの短刀、ふたつの腕輪がある。ふたつのビーズがみられ、ひとつは青っぽいガラスでもうひとつは紅玉髄であって、副葬品にするために加工されたものである。 埋葬2号は、深さ80cmから90cmの位置で確認され、東西1m40cmで幅1mという細長い形に骨が集められている。この埋葬もやはり環状列石の中央部に位置していて全体としては長いたくさんの骨とひとつの頭蓋骨で構成される。副葬品として、帆立貝の殻、青い半透明のビーズ、鉄製の槍先と矢じりとが発見されている。鉄製の矢じりは、頭蓋骨に打ち込まれたような状態であり、もしかしたらこの被葬者は、いけにえとして備えられたということなのかもしれない。
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