環境的瑕疵物件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 09:54 UTC 版)
土地や建物といった物件そのものに問題はないものの、取り巻く環境に問題がある物件を環境的瑕疵物件という。五感に悪影響を及ぼすもの、近隣に嫌悪施設があるケースや、隣人トラブルがある場合などがある。 五感に影響を及ぼすものとしては、時に殺人事件に発展するほど古く根深い問題である「騒音」、電車や自動車・トラック、工事現場などの「振動」、工場の悪臭に加えてペットの糞尿や飲食店の臭い、ごみなどの生活臭気といった「悪臭」、近隣に高層マンションなどが建てられて日当たりが阻害される「日照」、富士山が見える、海が見える、夏には花火が見えるというように景観を明確なウリとして物件販売がなされたにもかかわらず、それが阻害される「眺望」問題などがある。 嫌悪施設は、物件の近くに墓地や葬儀場、ゴミ処理場や産業廃棄物処理場が建設されるといった問題であり、日曜午後の長寿番組『噂の!東京マガジン』(TBS系)のメインコーナー『〇〇が見に行く噂の現場』で、再三取り上げられている。隣人トラブルの代表は、迷惑住民と暴力団事務所である。奈良県に住む主婦が約2年半にわたって大音量の音楽を流すなど騒音を出し続け、近所に住む夫婦が不眠・目眩の症状を呈して通院を余儀なくされた事件は、「引っ越し、引っ越し」と主婦が大声で叫ぶ様子がテレビのワイドショーで何度も流されたこともあり、迷惑住民問題が大きく意識されるきっかけとなった(奈良騒音傷害事件)。 暴力団事務所やその組長級の自宅建物には、監視カメラが至る所に付いていたり、開口部が少なかったりと幾つか特徴があるが、一見すると近隣の一般人の住宅と区別がつかないことも多い。災害時に炊き出しを行ったり近隣関係を重視する傾向があるが、暴力団同士が抗争状態となると、組員の出入りが激しくなったり、銃弾を撃ち込まれる危険性が増すなど、訳ありな環境要因となる。
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